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自律性を高める:「モチベーション3.0」の実践

「モチベーション3.0」はダニエル・ピンクによって提唱された、「やる気」にフォーカスを当てた働き方の概念です。国内では2010年に発刊され、既に15年ほどが経過していますが、職場への浸透はまだまだ、という感覚です。

「モチベーション3.0」を支える3つの要素として、自律性・熟達・目的の3つが紹介されています。この記事では自律性に焦点を当てます。ピンク氏は自律性を「4つのT」で展開することを提唱しています。

課題(Task):メンバーの持つ創造性や革新性を信じて、一定の時間を自分たちで選ぶ課題に取り組むことを推奨します。自分が重要だと感じるタスクだからこそ、より創造的に仕事をできます。

時間(Time):仕事の成果を評価するのに、「かけた時間」を無意識に重視してしまっていないでしょうか。その帰結として、「結果を出すこと」が二の次の職場文化になっているのであれば、見直した方が良いです。

手法(Technique):知らずのうちに、マニュアルに沿った業務が当たり前になっていないでしょうか。各個人に仕事の進め方の裁量権は、どの程度あるでしょうか。本の中ではコールセンター業務でさえ、そういった習慣を見直すべきと謡っています。

チーム(Team):この面での自律性が一番進んでいない、と本の中でも指摘がされていますが、革新的な仕事をする場合は、既存の組織から離れて、自分たちで結成したチームの方が、はるかにやりやすいはずです。

自律性について、 モチベーション2.0は、自由にやらせれば怠ける、自律性は責任回避を招く、とする一方で、モチベーション3.0では、人は本来責任を果たすことを“望んでいる”を前提にします。自職場の身の回りで、自律性を高められる側面を探して実行することで、職場にはもっと活気があふれます。

別の機会で熟達と目的についても取り上げます。


モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか | ダニエル・ピンク, 大前 研一 |本 | 通販 | Amazon