新年度が始まり、多くの職場で目標設定の準備が進んでいることでしょう。従来の目標管理はMBO(Management by Objective、目標管理)として知られ、主に客観的指標に基づいて行われてきました。しかし、MBB(Management by Belief、思いによるマネジメント)という新しいアプローチも注目されています。
MBBは、個人の思いを目標設定に取り入れることで、モチベーションの向上と成長意欲を促します。結果として、高い目標設定が単なる義務ではなく、追い求めるべき理想となります。
目標達成には、個々の信念を理解し共有することが不可欠です。これには、リーダーが自らの信念を明確に伝えることが求められます。徳岡晃一郎氏の「本気の集団をつくる チーム・コーチングの技術」では、効果的な伝え方を以下の5つのステップで紹介しています。
- 思いを語る:自身の業務への熱意を表明し、部下の意見を引き出す
- 背景を語る:業務が会社目標や組織とどのように関連しているかを透明にする
- ストーリーを語る:自身の知識、理論、原体験を基に、実施構想を語る
- ポリシーを語る:実行する上でのぶれない方針を示し、意見を求める
- しがらみを語る:制約を正面から受け止め、それに対する対策を話し合う。
これらのステップを踏むことで、著者は「思わず共感してしまうしみじみ感」を目標に与えることができると述べています。具体的には、以下のような状態を指します。
- 理想が高く、相手の心に響く
- 制約が明確で、その克服方法について真剣に考えている
- 実行可能なアクションプラン策定が始まっている
このような工夫を凝らすことで、単なる数字の追求から脱却し、目標管理において大きな進歩を遂げることが可能です。