仕事の効率を上げるコミュニケーションの技術

仕事の効率を飛躍的に向上させるコミュニケーションスキルに焦点を当てています

Z世代が感じる仕事のやらされ感を軽減するために

「働く」とは、「傍(はた)を楽にする」こととも言われます。自分の仕事が他人や何かの役に立っていると感じられれば、仕事のやらされ感は自然と薄れるでしょう。

特にZ世代の若手社員にとって、この実感は非常に重要です。若者は自己成長を優先するとよく言われますが、私の経験では、Z世代は周囲への貢献を重視する傾向にあります。

Z世代と他の世代、例えばミレニアル世代やX世代との間には仕事への態度や価値観の違いがあります。Z世代は社会的影響とテクノロジーを重視する一方で、ミレニアル世代はワークライフバランスとキャリアの柔軟性を求め、X世代は安定性とリーダーシップを重視します。これらの違いを理解し、世代間での適切なコミュニケーションとマネジメント戦略の調整が必要です。

Z世代はデジタルネイティブとして育ち、社会的正義や持続可能性への関心が高いです。彼らは、仕事を通じて社会へ積極的に貢献することを重視しています。この姿勢は、SNSでの情報共有や国際的な問題に対する露出が増えた結果、他者への共感と行動を促す文化的背景から来ています。彼らにとって、仕事の意義は個人の成長だけでなく、社会への貢献にもリンクしているのです。

目の前にいる若手社員の仕事上の価値観をまだ理解できていない段階で、「仕事を覚えることから始めよう」とか「仕事ができるようになってから貢献しよう」という言葉をかけがちですが、これがZ世代には逆効果になることがあります。

私自身も、そうした言葉が彼らにネガティブな影響を与えてしまった経験があります。言われた本人は受け入れているように見えても、心なしか表情が曇ってしまうのです。「私は職場の役に立ちたい」「社会に貢献するような仕事をしたい」そういった彼らの気持ちを大切にすることが、価値観の理解へとつながります。

Z世代向けの効果的なマネジメント手法には、早期に実務経験を積めるプロジェクトへの積極的なアサインメントや、経験豊富なメンターによるメンタリングプログラムが含まれます。フィードバックと承認を積極的に行い、彼らが直接的な貢献を感じる環境を提供することが重要です。

特にフィードバックについて、「他者への貢献」を重視するZ世代の仕事のやらされ感を軽減するためには、以下のような工夫が考えられます。

自分自身が助かっていると感じた時には、その感謝を積極的に表現すること。感謝は、仕事の結果だけでなく、行為自体に対しても示すことも効果的です。(結果承認、行為承認)

ときには、「打ち合わせに来てくれてありがとう」や「話を聞いてくれてありがとう」といった、存在すること自体への感謝も表すことができます。(存在承認)

「この仕事が成功したら、誰が喜ぶだろう?」や「あなたの仕事によって、誰かの負担が軽減されている」といった、未来の可能性や推察を通じて、他者への貢献を若手自身に問いかけながら、考えてもらうことも一つの方法です。(可能性承認)

仕事に関わった第三者からの承認や感謝を伝えることで、より大きな効果が得られます。私は時々、他部署の人に自チームの若手の仕事ぶりを尋ね、ポジティブなフィードバックを集めています。

今回の記事を作成するにあたって参考にしました「ポジティブフィードバック(ヴィランティ牧野祝子)」は、フィードバックがなぜ必要なのか、フィードバックのポイントやコツが満載の、お薦めの一冊です。

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